再生治療・細胞治療/輸血・再生医療部門

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プロジェクト紹介


新潟大学が目指す再生医療とは

事故や疾病により損なわれた身体の一部の機能回復を目指した再生医療を行う 高齢化社会に向けて再生医療の普及を目指す。 そのために障害となる培養士の不足のため、教育システムの開発を行う。 ちけんセンターの機能を活用し、再生医療の臨床試験を推進する。


現在動いているプロジェクト

培養骨膜移植による歯周病治療
培養口腔粘膜移植による口腔癌の術後再建
  培養赤芽球の移植による下腿血管再生



歯槽膿漏の歯は抜かずに再生医療で治すー
歯周病科が行っている再生医療

[診療科]歯周病診察室 [対象疾患]歯周炎

■背 景
 高齢化社会を迎えて、義歯などではなく自分の歯で噛み食べたいという願望はますます高まっています。今や国民病ともいえる歯槽膿漏などによる歯周炎の克服は“健やかに老いる”ために不可欠な医療といえます。

■歯周病再生医療の実際
 歯周炎により破壊された歯槽骨吸収部位の骨再生に対して、培養骨膜シートを用いた歯槽骨再生治療を行っています。治療方法は、当該被験歯の隣接歯に及んで歯肉溝切開を加え、全層弁にて剥離し、徹底的なデブライドメントを行うというものです。多血小板血漿とハイドロキシアパタイト複合体を移植し、さらにその上から培養骨膜シートを、移植材を完全に覆うように静置し、歯肉弁を復位させ、その後縫合、歯周包帯をして2週間後に抜糸しました。半年後の予後を観察すると、多血小板血漿とハイドロキシアパタイト複合体だけの移植に比べて、有意に歯槽骨量および付着の獲得量が増加していることが明らかとなりました。

■これまでの実績
  30症例以上を施術して1年以上の経過を経た症例も出てきていますが、有害事象等は生じていません。本治療法の効果のメカニズムは、従来の多血小板血漿とハイドロキシアパタイト移植の効果に加えて骨芽細胞に分化しうると考えられる骨膜細胞が生物学的に作用し、同時にシートのもつ物理的性状により、上皮の深部増殖に対する遮断膜として機能したことが考えられます。

■このプロジェクトの意義と将来
  培養骨膜シート+多血小板血漿+ハイドロキシアパタイト移植は、従来の各科別に行われていた医療としてとどまるのでのでは無く、歯学部倫理委員会、および医歯学総合病院、医薬品・医療機器臨床研究審査会(IRB)の審査を通過し、生命科学医療センター輸血・再生医療部門(CPR:Cell Processing Room)の中核的再生医療として展開されていることに重要な意義があります。今後、歯の喪失後に生ずる低歯槽堤症、外傷やのう胞・腫瘍性病変の結果生ずる歯槽骨顎骨欠損症例を対象として、培養骨膜を用いた歯槽骨・顎骨組織再生療法を計画しています。


■患者からの骨膜採取と培養骨膜シート

■培養骨膜シート移植手術

■培養骨膜移植手術

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下腿の閉塞性動脈硬化症に培養骨髄を用いた再生医療

[診療科]第一内科 [対象疾患]閉塞性動脈硬化症

■背 景
 我が国では臓器移植ドナーが不足しており、再生医療の開発に対する期待が高まっています。いわゆる生活習慣病とされる脳血管障害・虚血性心疾患などは動脈硬化による虚血が原因で、これらの疾患を合計すると我が国を含む先進諸国における死因の過半数となります。将来的にはこれらの動脈硬化性疾患群が血管再生治療の適応となる可能性があります。このうち閉塞性動脈硬化症に対する血管再生治療の開発が世界的に進みつつあるのが現在の状態です。

■当施設での血管再生治療の実績
 2001年に第1例目を経験し、以来2006年までに約40回の血管再生治療を行っています。主な治療法は自家骨髄細胞移植で、全身麻酔下に患者自身の骨髄を約600c.c.採取し、これを虚血下肢の筋肉内に注射する方法です(図1, 2)。この治療法は患者の肉体的な負担が大きいため、当施設ではいくつかの独自の治療法を開発しています。その1つが、次に述べるEVEETA法です。

■EVEETA法
 まず始めに骨髄細胞移植によって血管が再生される仕組みを研究しました。骨髄細胞中に含まれる未熟な赤芽球が血管再生を起こすことがわかりました(図3)。つぎに少量の骨髄から大量の未熟赤芽球を得るための培養法を確立しました(図4)。この培養によって得られた未熟赤芽球を実際に虚血下肢筋肉内に注射することで血管再生が起こることが、動物実験で確認されました。実際の臨床では、外来で局所麻酔下にわずか数c.c.の骨髄を採取し、これを約2週間培養することで、血管再生治療のために十分な量の未熟赤芽球が得られます。2009年の冬までに、7例の治療を実施しました。



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口腔癌の術後再建

[診療科]口腔再建外科診療室 [対象疾患]口腔癌術後再建、外傷後再建

■背 景
 近年、腫瘍や外傷の手術によって欠損した口腔粘膜の再建や、義歯、インプラントなどの補綴処置前に不足している口腔粘膜の再生といった治療がこれまで以上に重要視されています。従来、口腔粘膜の欠損には皮膚、あるいは口腔粘膜移植が行われてきましたが、皮膚は口腔粘膜との性状の違いから違和感や毛が生えるなどの欠点があり、口腔粘膜はその採取部位と大きさが限られてしまう欠点があります。また両者とも、組織を採取するために新たに手術創を作らなければなりません。人工真皮なども用いられることもありますが、創収縮や操作性に問題が残ります。

■当施設での実績
  私たちはウシ胎仔血清とマウス細胞を必要としない培養システムを用いて培養複合口腔粘膜(以下培養粘膜)を開発しました。この培養粘膜はヒト無細胞真皮であるAlloDerm®(LifeCell, USA)の上に培養した口腔粘膜上皮細胞を播いて作製しており、組織学的構造が口腔粘膜と類似しているとともに、取り扱いが容易であることが大きな特徴となっています。
 新潟大学歯学部倫理委員会の承認を受け、2000年より舌や歯肉の前癌病変である白板症や初期癌の症例に対して培養粘膜移植を開始し、2002年度から2004年度には文部科学省高度先進医療開発経費(B)の支援のもと、神戸大学、富山大学との三施設共同研究によりさまざまな口腔粘膜欠損症例に対し培養粘膜の臨床応用を行い、これまでに100例以上の症例を経験し、良好な結果を得ています。今後は、より実用的で、より粘膜再生に有利な培養口腔粘膜の開発を目指し研究を進めています。



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